羊の時刻

荻サカエの個人文芸部『羊の時刻』のブログです。毎月1日更新。メールアドレス hitsujinojikoku(アットマーク)gmail.com 当ブログの文章、画像等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。https://note.com/hitsujinojikoku マストドン始めました。https://mstdn.nijist.info/@hitsujinojikoku

暑中お見舞い申し上げます。

 暑くて暑くて、隙あらば畳の上で猫先生と同じポーズで長くなっています。

 

「うちの猫は飲み水に氷入れてくれって催促する(のがすごくかわいい)」 

 

 というノロケ話を先日聞いて、もしかして我が家の猫先生も氷を入れたら喜んでくれるだろうか? と、思ってためしに飲み水にコロンと氷を浮かべてみると、畳でゴロゴロしていた猫先生がさっそく(なになに?)と駆けつけました。

 そしてさっそく水に舌をつけて「つめたっ!」と、なるのかなーと思ったら、猫先生は飲み水のお碗から少し距離を置いてじっ......と氷を凝視。

 氷が少しずつ溶けていくのを正座で見つめ続けていました。

 やっと水に舌をつけたのは氷が完全に溶け終わってからのこと。

 

(なんだ。ただの水じゃん)

 

 と思ったのかどうか、ふたくちくらい飲んだらスタスタ去って行きました。

 

 我が家の猫先生には氷はいまいち刺さらなかった様子。

 と、思っていたのですが、のちほど私が人間の飲み水に氷を入れようと製氷機をバカッとひっくり返すと(手動式)、その音を聞いて猫先生が隣の部屋からすっ飛んできました。

「やっぱり氷気に入った?」 

 では、と猫先生のお水にも氷を浮かべると、やっぱり飲まない。

 少し離れて正座して、氷が少しずつ溶ける姿と、ピシ........ピシッ......、と、ごくかすかに聞こえる氷が溶ける音に集中し続けていました。

 溶け終わると去って行く。

 

(少しずつ小さくなって消えて無くなるあれは何なのか)

 

 これがどうやら、この夏の猫先生の自由研究らしいです。