羊の時刻

荻サカエの個人文芸部『羊の時刻』のブログです。毎月1日更新。メールアドレス hitsujinojikoku(アットマーク)gmail.com 当ブログの文章、画像等の無断転載・無断使用はご遠慮下さい。https://note.com/hitsujinojikoku マストドン始めました。https://mstdn.nijist.info/@hitsujinojikoku

カクヨム地道に更新

 してます。

kakuyomu.jp

 日々の孤独な更新の合間にNetflixで海外のドキュメンタリーを観るのが近頃の癒やし。今日はエミール・クストリッツァの『マラドーナ』を途中まで視聴。この人の現役時代を私は全く知らないけれど(いま誤変換で「原液時代」と出てしまったけどこの人くらい濃い選手ならそう書いても間違いじゃないような気もする)伝説の五人抜き、これ生で見てたら私だってマラドーナ教に間違いなく入信したと思う。

 そういえば世阿弥も蹴鞠の達人だったらしいっけ、とマラドーナ観てて思い出した。ソースは二条良基の将軍義満宛ての消息文。ボールを蹴るのが上手い人を愛し崇める人類の習性は何時代に生まれたものなんだろう。野生のイルカも椰子の実でボール遊びをするらしいから、人類に進化するよりもっと前からある本能なのか。

鳥グッズ。/カクヨム更新。

 すてきなものを貰った。カツオドリのキーポーチ。

https://www.instagram.com/p/BY5kOefluQT/

CHUMSのカツオドリ(ペンギンではない)のポーチを貰った。嬉しい。カラーリングが「うそ替え神事」の木彫りのウソみたいで可愛い。#CHUMS #booby #ブービーバード #鳥 #カツオドリ

 以前から思っていることなのだけど、世阿弥はたぶん動物の中では鳥が一番好きだったんじゃないかという気がする。

 謡曲の詞章を読んでると鳥の描かれ方にとても愛を感じる。そもそも鳥がよほど好きじゃなかったら鳥類を主役にした能なんて書こうと思わないし書けないだろう(『鵺(ぬえ)』。源三位頼政に射殺された気の毒な怪鳥が主役)。足利六代将軍・義教に嫌われて佐渡島に流されてから書いた小謡『金島書』でも、島流しにされた辛さや悲しさとかよりも島のホトトギスの生態の不思議さのほうに字数を費やしてる。

 能役者としてツアーで各地を巡業し続ける生涯だったから、ひとつの土地に定住して生きる人間よりもあっちこっち渡って生きる鳥のほうによりシンパシーを抱いていたのかもしれない。

 そんな室町時代きってのBL(バードラブ)作家・世阿弥を好きなだけ好きなように書いている『世子可変G申楽談儀(ぜしかへんじーさるがくだんぎ)』、カクヨムでひっそりと更新しています。

kakuyomu.jp

きのう買った本二冊

 ベルナール・フォコンのマネキンとのお別れ写真集『最後の肖像 ベルナール・フォコン』とちくま学芸文庫の『藤原定家全歌集(上)』。

https://www.instagram.com/p/BYfvL6SlHwO/

今日買った古本『最後の肖像 ベルナール・フォコン』。マネキン人形と生身の少年が混在する不思議な風景を撮り続けたフォコン(『オー! マイキー』のネタ元)がマネキンたちと別れるにあたって制作した二冊組の写真集。一冊はマネキンたちの最後の肖像写真、もう一冊にはそれまでの作品のメイキングの様子やマネキンとフォコンとの記念写真、それとフォコンのエッセイが収録されてる。86体のマネキンは京都のマネキン屋さん《七彩》に引き取られて大事に保存されているんだとか。用済みになったら壊され捨てられてしまうのが常のマネキンだけど、そんなハッピーエンドもあるんだと知って嬉しくなった。#マネキン #人形 #Bernardfaucon #フォコン #photographer #mannequin #photobook #買った本 #古本

 

https://www.instagram.com/p/BYfn8KEl376/

ちくま学芸文庫『藤原定家全歌集(上)』久保田淳校訂・訳。この値段で文庫化されるなんて夢みたいだ。歌集なら岩波の『藤原定家歌集』持ってるし国歌大観の私家集編とか新日本古典文学大系のそのへんの巻も持ってるけど、これだけの質の訳と膨大な解説がついてきてこの値段このコンパクトさはほんとに嬉しい。下巻は来月買う。カバーに定家の筆跡を使ってくれてるのも嬉しい(しかも「駒とめて」の名歌!)。 #ちくま学芸文庫 #筑摩書房 #買った本 #藤原定家 #文庫 #和歌 #新古今和歌集 #鎌倉時代

 

 ちくま学芸文庫の『藤原定家全歌集』、注解で歌合の判詞や消息文がいろいろ読めて楽しい。特に藤原家隆の言葉は彼自身歌論書を残してないからどんなに短くてもどれも全部嬉しい。

「こまとめて袖うちはらふかげもなし」の歌の補注に世阿弥の著作の中ではだいぶマイナーな『遊楽習道風見』の文章をかなりたっぷり引用してくれてるのも世阿弥好きとしてはなんだか嬉しい。

 

 それと、カクヨム更新しました。

kakuyomu.jp