インスタから転載、ふと今日読み返した本の事。
“バーデンハイムでの日の過ごし方がすっかり変わってきた。もう昔のように森のなかの散策もなければ、旅行やピクニックもなくなり、ぶらっと出かけるということも、あらかじめ計画してみんなで出かけるということもなくなり、生活の場はホテルと駄菓子屋、それに水泳プールに狭められた。”
(アハロン・アッペルフェルド『バーデンハイム1939』みすず書房 p.49より抜粋)
去年の7月に買って読んだ本をなんとなく読み返していて、どきっとした。去年これ読んでるときはまさか次の年に自分がこれに近い毎日を送ってるとは夢にも想像してなかった。
この本、原題だと「保養客の町バーデンハイ厶」で、年代は英訳されたとき付け加えられたらしいけど、私はそれは余計なことだったと思う。この話は過去のある一時期に限定された話じゃなくて、普遍的な話だと思う。
アハロン・アッペルフェルドはこの本がきっかけで他の本もいろいろ(日本語訳は出てないので英訳で)読んで大好きになった作家。今も数冊読み進め中。イチオシはThe Man Who Never Stopped Sleepingです。