羊の時刻

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CD屋さんで

Lionheartの新譜やなんかを試聴したりGraham Bonnetの近況について駄弁ったりしていたら「SlipknotNickelbackが最近舌戦を繰り広げているらしい」という話が出て笑ってしまった。「何を喧嘩することがあるの、似たようなもの同士じゃん」と言うと「Burrn!にもそう書いてあった」と。誰が聞いてもそう思うだろう。でもそういえば小川国夫の小説にちょうどぴったりくる台詞があったっけなと思い出した。

 

似た者同士だったからでしょうよ。明子さん、長くつき合ったって解らない人間ているもんですに。しかし、ロクにつき合いはなくたって、困るほど解っちまう人間もいるもんですに。そしての、わしはの、解っちまう人間に対して、カッとなるタチですの。遠くにいる人間の胸ぐらをとることはできないってことですかの。

 

(小川国夫『弱い神』講談社 p.116より抜粋)